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KEILOG

主に旅や食。なんでも。

旅が始まる・・・

2015年7月1日、旅に向けて出発した。

留学のため4月1日に日本を出た私は1日に何かを始めるのが好きなようで、出発を迷わずこの日に設定した。

最初の目的地はチリのCoyhaique(コジャイケ)。

首都のサンティアゴからおよそ1600km南下したところにある小さな町だ。

本当は南の最果てにあるPunta Arenas(プンタアレーナス)に行きたいところだが、7月はすでに極寒の季節になっている。

多くの旅人はここや、El carafate(カラファテ)まで行き、氷の上をトレッキングするツアーなどに参加する。時期と時間が合えばぜひ行きたい。

 

というわけでCoyhaiqueへ。

語学学校で仲良くなった韓国人とタイ人の友達も行きたいということで、一緒に行くことになった。

飛行機で4時間弱で着く。バックパッカーならバスだろうと思うが、LAN航空を早めに予約するとバスより安い値段でいけるのだ。

バルマセダ空港に着いた頃には17時を回っていた。恐るべきことに一面雪景色、激しく吹雪いていた。

レンタカーの受付の人は、他の客の相手をしているようでしばらく待った。

ようやく私たちの番が来て、運転をしてくれる韓国人の子が説明を聞いたが、やはり南米の人は女の子に猛烈に優しい。

 

バルマセダ空港から最終目的地であるPuerto rio tranquilo(プエルトリオトランキーロ)へは、車で5時間だ。一人だけに運転させてしまって本当に申しわけなかった、、、

国際免許証をとらなかったことを後悔した。

荒れ狂う吹雪と、舗装が完璧ではない道を5時間というのは実に大変だった。

しかし途中で急に道に現れる牛や、綺麗な満月を見るとやはり期待が高まる。

22時頃やっと宿に着くとそこは小さなロッジで、前で宿の人が待っていてくれた。

急いで車を止めて、宿に駆け込む。なにせ外は-10℃くらいで凍える。

当然部屋の中も寒すぎて、薪をストーブに入れて自分たちで火をつける方式だ。

やっとのことで火が安定したので、即座にベッドに倒れた。

 

翌朝自分が一番早く起きたので、村を散歩してみた。

寒いとはいえ今までに体験したことがないほど空気が澄んでいて、気持ち良い。

それもそのはず散歩は10分で終わるほど村が小さく車が少ないからだ。

調べていた通り、湖畔にプレハブの小屋がありそこでツアーを申し込むことができた。

おじさんいわく15分後にボートが出発するらしいので急いで2人を呼びに行く。

じつはこの時まで、このツアーがこの時期にあるのか確証が取れていなかったので本当に安堵した。

 

救命着を着て、ボートに乗り込むとすぐ出発し洞窟へ向かった。

そう、私がどうしても行きたかったのはCapilla de marmol(マーブルカテドラル)という洞窟だ。

たどり着くまでの道のりさえ絶景だ。透き通るように輝くヘネラルカレーラ湖、そばには雪をかぶっている山々、気づかぬうちに涙が出ていた。

洞窟は言うまでもなく美しかった。大理石でできていて、光が水に反射してそれらは水色に輝く。

帰り道、この景色が自分の旅の中でも一番きれいになるであろうことがわかっていたので少し落ち込んだ。

 

その日はチキンを揚げただけなのになぜか高い昼食をとり、宿に戻ってのんびりした。

夜になると満月を観に再び湖畔に出た。すると満月どころか、満天の星空がこれでもかというくらいに広がっていた。

これを観られただけでも南米に来た甲斐があった。

 

残りの日は、少し足をのばして巨大な氷を見に行ったり、エメラルドグリーンの湖を観に行ったりした。ここにたどり着くのは難しいし、この景色が壊されることはしばらくないだろう。

最終日には、2人の希望で空港近くにある町のイタリアンでランチをすることに。しかし私は2人が頼むようなものは食べられなかった。じつはこの4日間でなんと5万くらい使っていたのだ。これが短期旅行で会社員の彼女たちと違って私の5万はとてつもなくデカく痛い。

それを察した彼女たちはもう一枚ピザを頼んだ。

「この店を決めたのは私たちだから私たちのおごりでいいよ!」と。

さらにはガソリン代も払わなくて大丈夫だと言われた。

そのかわりといって出された条件は、もし東京に来たら案内することだった。

私は死ぬまでこの恩を忘れないだろう。

4日間一度も暗い雰囲気にすらならなかった。いや、彼女たちがそうさせなかったのだろう。

この先も私は旅をするだろうが、お金に困っている年少の旅人がいた時必ず手を差し伸べたいと思った。

 

サンティアゴへの帰りの機内は異様な雰囲気だった。

まさにこの時、南米中が湧き立つサッカー大会コパアメリカ2015の最中だった。そして私たちが飛行機に乗る直前にチリ対アルゼンチンの決勝が始まった。

全員がスマホで生中継を見ている。飛行機が動き出すと当然しまわなければならないが、その時の彼らの居ても立っても居られない顔が面白かった。

上空にいる時、急にアナウンスがかかった。どうやらPK戦が始まったようなのだ。それして実況が始まった、、、

アルゼンチンのイグアインが外した時に歓声が上がった。

そのままチリはノーミスで優勝を決めた。

その後の機内は言うまでもない。スチュワーデスたちは国旗をまとい仮装しドリンクを配っていた。乗客は着陸するまで延々と国歌や掛け声を叫び合った。

私がチリに来た時に、チリはなんと初優勝を果たしたのだ。南米のサッカーへの熱狂ぶりを嫌という程感じ、非常に楽しめたしこんな幸運はない。

街中は翌朝まで爆音がなっていた。