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KEILOG

主に旅や食。なんでも。

1都市目コルドバ 思えば平和だった街

サンティアゴの父の家で3日間ほど準備をした。3ヶ月語学学校へ通っていたのもあり、サンティアゴを出るのは少し寂しい。初めて来た時、セキュリティのおじさんに笑顔で会釈することしかできなかったのに、最後は世間話をしたりして別れられたことに達成感を覚えた。この前の小旅行と違ってもう引き返すことはないため、緊張していた。

 

慣れ親しんだサンティアゴのバスターミナルからアルゼンチンのメンドーサに向けて出発した。これももう一度経験しているので難しいことではない。8時間の移動を経て、メンドーサに着き、夕食を食べる。そして1時間にまた出発。今度の目的地はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに次ぐ大都市、コルドバという街だ。メンドーサから14時間くらいだが夜なので寝るだけ。だと思っていたら、前の座席に座っているカップルに話しかけられ、仲良くなった。チリでスペイン語を学んだのに、他国でも使え通じる感動を初めて知った。コルドバで一緒にどこかいけるかなぁと期待していたら、彼らは途中の停車駅で別れを告げて降りて行った。途中で止まるということを知らなかったのでまた新発見。

 

翌朝着いた。あらかじめスマホにmaps.meをインストールしていてコルドバをダウンロードしていたため、GPSで辿っていけば宿に着く。しかし、危ない道もあるかもしれないので一応バスターミナル前に立っていた警備員に聞く。
宿へ着くと、まだチェックインしていないにもかかわらず朝食を食べさせてくれた。そしてさきほどバスターミナルで見かけたカップルも来ていた。

 

外を散歩していたらお腹が空き、ピザ屋があって安かったから入った。店員にそれぞれ説明してもらうと、彼と世間話がはじまりすごく仲良くなった。アルゼンチンの中でどこに行けばいいかなど教えてもらい、せっかくだから街を案内してあげようと言われた。仕事中じゃんというと、大丈夫と言って同僚の女の人に全て放り投げて店を出た。
綺麗な街並みをみせてもらった。コルドバにはイエズス会の建築がたくさんありそれらは世界遺産だ。

結局そのあと最初のカップルと夜ご飯を食べる約束をしていたので別れたが、23時からクラブでDJするからきなよと招待された。当然その時はビビって断ってしまったがあとあと本当に後悔した。

 

またある夜、カップルの彼氏の方とテラスで酒を飲んでいると宿の前の通りでトラブルが。5人の男が1人を囲んで身ぐるみを剥がしていた。5人のうち1人は銃を持っている。
たまたま通りかかったパトカーが止まり全員を壁につかせた。しかし驚くべきことはそのあとで、なんと銃を持っていた男以外はその場で釈放だった。一緒にいた彼氏はメキシコ人だったが、銃持ってなかったら帰らされるなんてことメキシコでもないよ!と言っていて面白かった。アルゼンチン恐るべし。
やはりあのときクラブに行かなくてよかったかなとも思う。

 

郊外にいくとまた世界遺産であるイエズス会の建築がみられるということで一人で行ってみた。確かに建築はすごいのだがイマイチ感動がない。それよりはそこにたどり着くまでの道が難しすぎて色々な人に聞きまわり助けられたことの方が印象的で楽しかった。このバスに乗りなと言って教えてくれたおじさんは乗るときに私の分を払ってくれた。

 

夜になると宿でアサドといわれる南米式BBQでしこたま肉を食べるイベントが始まる。アルゼンチン、ウルグアイ、チリなどではこの肉をちゃんと焼けないと一人前の男とみなされない。
その席で仲良くなったのが宿の従業員のナディルだった。彼はもともと日本が好きなのもあって、たくさん話しかけてくれた。そして後日彼の実家に招待してくれて、大家族と昼食を楽しんだ。その恩義もあり日本へ帰ったあと、真っ先に連絡したのも彼だった。

 

またある夜、三人組が私のいる部屋へチェックインした。エクアドル人の男と、ブラジル人とフランス人の女の子で、彼らはブエノスアイレスで出会って一緒に旅をしているそうだ。エクアドル人の彼は日本が大好きらしく、仲良くなった。
しかし翌朝彼とフランス人の女の子のキスの音で起きたときは本当にたじろいだ。なんでそこ?????と思ったが私は気づかぬふりをして二度寝することしかできなかった。

 

そんなことが続いたコルドバだったが気づけば一週間ほどいて、これ以上いると無駄な気がしてきたので次の街へ行くことにした。三人組の話もあり、どんな出会いがあるんだろうと期待を胸にバスターミナルへ向かった。
たまたまその途中の道にあのピザ屋があったので覗いてみると彼が働いていた。これからこの街を去るんだと話したら彼は強い口調でこう言った。

「絶対に道で友達を作るなよ。宿の中以外で友達を作る必要はない。この国では人を信じるな。」

 

私は

「わかったわかった!本当にありがとうね!」

といって彼とコルドバに別れを告げた。